PescatoreMinami

コンパクトな生活を

厄年に起こった事

 厄年に本当に悪いことが起こるのか。
 これは人による事だと思いますが、私の身に実際に起こったことは転職と父親の死でした。

 思えば本厄の時に転職なんて無謀だったなと今になれば思うんですが、その時勤めている会社にはいるにいれない事情があった為やむなくでした。
 それも厄の内だったのかも。
 本厄の年の秋に会社を辞め、年内に次の職場が決まったのは経済的には良かったんですが、人間関係がかなり悪い会社でした。
 直属の上司は幸い良い人でしたが同僚とそれを取り巻く人たちが恐ろしすぎて。

 そして翌年の春に父が亡くなったという連絡を警察から受けました。

 父と生活リズムと金銭感覚が合わないことが原因で家を出てあまり連絡を取らず、事故や人に迷惑をかけるような形で亡くなるんじゃないかという予感を、なんとなくずっと抱いていましたがドンピシャでした。
 詳しい事件の内容は割愛します。

 私は警察から連絡が来るまで父が亡くなっても泣かないだろうと思っていましたが、成人してから大泣きしたのはあの時だけでした。
 自分でも意外でしたね。
 借金だの損害だのがいつ襲いかかってくるか分からない父の存在は、20代の頃は重荷で死を願うような時もあったのに。

 亡くなる2週間前に父から電話がありましたが、私は仕事の講習で取れませんでした。
 昔からそういう間の悪さがあったんです。
 次の週末も予定があり、その次の週末にこちらから電話しようかなんて考えていたらその前に警察から連絡がきました。

 父が亡くなった事は泣くほどの気持ちにはなりましたが、私の人生で悪い出来事だったのかはわかりません。

 父の訃報を受けたのは転職してまだ3ヶ月経つか経たないかくらい。
 非常に休みがとりにくい環境で、訃報自体も同僚からは疑惑の目で見られていました。
 休みが取りにくいのも、上司が圧力をかけるのではなく同僚らがそういう空気を作っていた為。
 また死亡の手続きをした親戚が斎場の場所や連絡先すら教えてくれず、結局その場に立ち会うこともできませんでした。
 親戚が私に連絡をしたのはあくまで負債の保証契約をさせる為だったので。

 結局父の葬儀は諦めました。
 今どこにねむっているのか、遺骨はどうなったのか何もわかりません。

 それらの事が自分にとって大厄だったのかわかりません。
 ある意味私は父から完全に解放され、人間関係が悪い職場から更に転職し希望の業界へ就職しました。

 厄年は転機がある時というだけだったように思います。
 それでもお祓いはしていましたし、自分ができる対処はしました。
 そのおかげで今そこまで大変な目に遭っていないのかもしれません。
 あの時選択を間違えていたらとてつもない負債と、最悪の職場で人生を送っていた可能性もありますしね。